海のレジャーといえば釣りに海水浴などいろいろありますが、意外にも身近に危険な生物がいます。
内臓に毒を持つもの、ヒレや棘に毒をもっているもの、鋭い牙をもつものなど、最悪死に至ることもある危険な生物が簡単に堤防の釣りでも釣れることがよくあります。
今回は毒を持つ危険な生物の一部を紹介したいと思います。
オコゼ(ハオコゼ)
堤防の釣りでもよく釣れる体長10cm前後の小魚で一見カサゴによく似ています。
カサゴと大きく違うところは、背ビレ、尻ビレ、腹ビレに毒があり、刺されるとかなりの激痛にしばらく苦しむことになります。
また、死んだハオコゼにもヒレに毒が残っていますので、素手で触らないようにしましょう。
ハオコゼが釣れた場合はフィッシュグリップなどを使って優しく安全にリリースしましょう。
アイゴ
アイゴも堤防の釣りでよく釣れることがあります。体長は25~30cmほどですが、大きいものは40cmを超えるものもいます。
大きなものは引きが強いので、あえてアイゴを狙う釣り人もいます。
しかしアイゴには背ビレ、腹ビレ、尻ビレなどに毒棘があり、刺されると激痛に襲われ、しびれや麻痺を引き起こすことがあります。
ウミケムシ
海にケムシ?と思われるかもしれませんが、海中にも多毛類のゴカイの仲間で毒毛が生えているウミケムシが生息しています。
多数の白い剛毛を持ち、その剛毛には毒があり刺されると炎症や痛み、かゆみを伴い、腫れがひどくなることもあります。また毒を含んだ毛は多数ささることがあり、払い除けると広範囲に被害が及ぶ危険があります。
ゴカイを餌として食べるので投げ釣りや堤防からの釣りでも、釣れることがよくあるので注意しなければなりません。
ゴンズイ
体長10~20cmで、頭から尾にかけて2本の黄色い線があります。ナマズのように口の周囲には長い口ヒゲが4対、計8本あります。
また背ビレと胸ビレの第一棘条には毒棘があり、刺されると激しい痛みに襲われ、患部は腫れ上がります。
一回でもゴンズイに刺されたことがある人はアナフィラキシーショックで命の危険にさらされる場合もあるので非常に危険です。
釣りでもよく釣れる魚なので、絶対素手で触らないようにしましょう。
アカエイ
体長は1mほどだが尾を含めると2m以上、体重100kgにもなる大型のエイです。
長い尾の付け根にある棘は毒腺があり、釣り針のようなカエシがあるため刺さると抜けにくいです。また簡単に長靴程度なら貫通するほどの威力があります。
刺された直後には激痛に襲われ、重度な場合は血圧低下、呼吸障害、発熱などの症状が出ます。最悪の場合死に至ることもあるので、刺されたらできるだけ早く医療機関で適切な治療を受けなければいけません。
ウェーディング時の釣りではエイガードなどで足首周りをしっかり守りましょう。
カツオノエボシ
クダクラゲ目に属する刺胞動物で、さまざまな個虫が集まって一つの群体をつくり、浮袋は直径10cmほどですが触手は10m~30mに及びます。刺されると電気ショックを受けたような痛みがあるため別名を「電気クラゲ」とも呼ばれています。
海水浴場に漂着していることもあり、見た目が透き通った綺麗な水色の風船のような物体で、つい拾いあげたくなるかもしれませんが、絶対に素手で触ってはいけません。
触手には猛毒の刺胞があり刺されると痺れるような激痛が走り、時に呼吸困難などを引き起こし痛みが数日間続きます。また、アナフィラキシーショックで死亡する事故もおきています。
ヒョウモンダコ
足をのばしても10㎝以下と小さい小型のタコです。普段体は茶褐色をしており海底の岩に溶け込んだような色をしていますが、興奮すると鮮やかな青色の模様が出ます。
ヒョウモンダコの唾液にはフグ毒と同じ猛毒の「テトロドトキシン」を持ち、咬まれると数分後から唇、顔、首のしびれを感じ、めまい、呼吸困難が進行して重度の場合には死亡する場合があります。
近年、九州北部や日本海側でも報告事例があり、その生息域が北上しているようです。見かけた場合には、絶対に素手で触らないようにしてください。
今回紹介した海の危険生物はほんの一部です。海のレジャーを楽しむために今後も海の危険生物を紹介していきたいと思います。
自分の身を守るために、よく分からない物はむやみに素手で触らない、また毒針に刺されない対策をとるようにしましょう。
もし被害にあった場合は適切な処置、そして早めに医療機関で治療してもらうことが大切です。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。