釣りのターゲットの中には強力な顎の力、で固い貝などを噛み砕く魚、鋭い歯をもつ魚がいます。
そんな魚をうっかり素手で触り、噛まれて怪我をすることがあるかもしれません。
噛まれると思わぬ怪我をしてしまうかもしれない、危険な歯をもつ魚の、ほんの一部を紹介したいと思います。
サメ
鋭い歯を持つ魚といえば、人食いザメなど凶暴で大きなサメを連想するかと思いますが、実は小型で釣りでも比較的簡単に釣れてしまうサメもいます。
ドチザメ
ドチザメは全長1m程度の小型のサメで、太平洋北西部、日本近海、台湾や朝鮮半島などまで分布しており、比較的水深の浅いところを好み、岩礁域や藻場で小魚や甲殻類、その他の底生生物を捕食しています。
堤防からでも釣れることがあるドチザメの他にネコザメ、ホシザメなどの小型のサメは、性格は穏やかで人を襲うことはありませんが、鋭い歯があり噛む力は強いので、針を外すときは噛まれたり歯に触れないように注意しなければいけません。
シュモクザメ
世界中の熱帯、温帯海域に分布し、世界中には9種類のシュモクザメが生息しており、日本近海ではアカシュモクザメが最も多いと言われています。
伊勢湾でもシュモクザメはよく見ることができます。
見た目は独特で両目が左右に迫り出した形状で、多くはT字型をしており、英名は「ハンマーヘッドシャーク」と言われます。
性格は凶暴なホホジロザメやイタチザメよりは大人しいと言われるが、稀に人を襲うこともあるので危険なサメでもあります。
船釣りなどでも釣れることがありますので、釣れた場合は取り扱いに注意しなければいけません。
ハモ
ハモはウナギ目・ハモ科に属する、うなぎの仲間で全長1mほどのものが多いが、最大2mほどになるものもいます。
日本でも本州中部以南、水深100mまでの沿岸域に生息する大型肉食魚です。
高級魚として料亭で重宝される「ハモ」の語源は諸説ありますが、鋭い歯で捕食する際の「食(は)む」から来ているとされています。
ハモが危険とされているのは非常に攻撃性が強く、鋭いカミソリのような歯と強靱な顎で獲物に噛みつき、グルグルと体を回して肉を噛み切ろうとします。
もしハモが釣れたときは噛みつかれないように注意しなければいけません。
ハモは首を切り落としても噛みついてくることもあるので、捌いた後も注意が必要です。
タチウオ
日本では北海道から九州南岸の沿岸部に生息し、体長は50cmから最大で200cmを超えるものもいます。
釣りでも人気が高く、釣り人は大きいものを「ドラゴン」と呼んだり、魚体の幅で「指3本」や「指4本」とサイズを表現します。
タチウオは泳ぎが下手なので一度口にした餌となる魚を確実に捕えるために、鋭く大きな歯が発達したとされています。
そのため鋭利な刃物のような鋭い歯をもっており、少し歯に触れるだけでも切れてしまうので非常に危険です。
釣り上げた時はもちろん、捌くときも歯に触れないように充分注意しましょう。
ヒラメ
ヒラメは、カレイ目カレイ亜目ヒラメ科に属し、千島列島、樺太、日本、朝鮮半島などの沿岸から南シナ海まで分布し、最大で全長が1m、重さが10kgになるものもいます。
よくカレイとヒラメの見分け方は「左ヒラメに右カレイ」といわれますが、ヒラメはカレイ類に比べて口が大きく、鋭い歯で魚類、イカ類、甲殻類を補食しています。
またヒラメは、防波堤、サーフ、船釣りなど釣りのターゲットとして非常に人気がありますが、両アゴに犬歯状で非常に鋭い歯をもっており、特に大型のヒラメに噛まれると大怪我をすることもありますので注意しなくてはいけません。
カマス
スズキ目カマス科に属すカマスは、主に沿岸域に生息しており細長い円筒形の体型で、全長は20〜30cmほどのものから、2mに達することもあるオニカマスまで、色々な種類があります。
食性は魚食性で、イワシなど他の魚類を捕食し、人間に対しても攻撃性を示す魚類の一つです。
釣りでよく釣れるカマスは2種類で、全長が最大50cm近くになるアカカマスと、全長35cmほどのヤマトカマスがいます。
またカマスは群れを作って活発に泳ぎ回ることから、堤防や船釣りなどで数釣りも楽しめますが、尖った口と出っ張った下顎をしており、どの種類も鋭い歯を持っているので噛まれないように注意しなければいけません。
エソ
エソは全世界の熱帯、亜熱帯海域に広く分布し、日本近海だと千葉県から九州の太平洋沿岸、若狭湾から九州の日本海の比較的暖かい地域の沿岸に生息しています。
成魚の全長は8cmほどのものから70cmに達するものまでいます。
性格は獰猛で、目の後ろまで大きく開く口には、小さな鋭い歯が並んでおり小魚から甲殻類、多毛類まで幅広い動物を捕食します。
見た目は恐ろしいですが、エソはかまぼこの原料としても有名な美味しい魚です。
エソはよく釣れる魚でもあり、鋭い歯でラインを切られてしまうので、釣り人には外道として扱われています。釣れたときは噛まれないよう取り扱いに注意しましょう。
釣りでは思わぬ危険な魚が釣れることもあります。
少しでも危険な魚の知識を持ち、怪我をしないように、安全対策をしっかり行うことを心がけましょう。
怪我をしないために釣りに行く時は、安全に魚をつかむフィッシュグリップ、針を外すプライヤーなどを使用し、素手では触らないようにすることが必要です。
もし被害にあった場合は適切な処置、そして早めに医療機関で治療してもらうことが大切です。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。