最近よく聞くSDGs。みなさんも一度は聞いたことがあるとは思いますが、何かと聞かれると詳しくはこたえられないという人も多いのではないのでしょうか。
簡単に説明すると、SDGsとは持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)世界では貧困、紛争、気候変動、感染症。人類は、これまでになかったような数多くの課題に直面しています。
そこで2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す世界共通の17の達成するために掲げた目標のことです。詳しくは外務省のホームページをみてください。
外務省HP: https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html
14番目の目標
SDGsの目標の中に14番目の「海の豊かさを守ろう」があります。「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」海洋汚染を防止し、漁業で生計を立てている人々のために持続可能な漁業を行えるようにする必要があります。
私たちが生きるための食べものなど多くの恵めぐみを受け取っている海。その海が今深刻な問題を抱えています。
釣りも少なからず関係していますので、今抱えている問題の一部を考えてみたいと思います。
海洋環境をとりまく問題
海洋プラスチックゴミ問題
私たちが普段何気なく使っているプラスチック製品ですが、2015年から2025年までの間に約3倍の量に増えるといわれているそうです。
また現在の海洋プラスチックゴミは年間で800万トンあり、このままでは2050年に魚と同じ量、もしくは上回るのではないかといわれています。
ゴミなどの漂流物
海岸に流れついたゴミの中には海外からの漂流物もよくありますが、それと同じように私たちの出したゴミが他の国の海岸に流れ着いているということです。
漁業からでる海洋ゴミ
燃やしたゴミを海に不法投棄し逮捕された漁師が過去にいましたが、漁業関係から発生するゴミには網や漁具などもあります。
場所によって異なりますが海洋ゴミの10%は釣りを含め漁業関係と推定されています。
漁業で使用される網やロープなど何らかのトラブルで紛失したり遺棄されたものを、ゴーストネットと呼ぶそうです。
漁場が広がることにより、ゴーストネットも急増し海洋生物に影響を与えているということです。
水産資源の乱獲
ここ数年で魚の総量も毎年減っています。乱獲などにより現在は1970年代の約50%の量しか海洋生物がいなくなったそうです。
もしこのまま魚を獲り続ければ絶滅する種も多くでてくるといわれています。
クロマグロの釣り制限
水産資源量が激減し絶滅危惧種にも指定されているクロマグロが、国際的な水産資源管理の枠組みに基づいて日本国内のクロマグロ漁規制が行われています。
クロマグロ釣りは遊漁船で狙う大人気の釣りですが、水産資源保護のために30キロ以上の大型魚について「保持は1日1人1尾まで」などの制限つきで釣りを認める遊漁者を対象とした規制が新たに2022年6月1日から行われています。
ゴミによる生き物たちへの驚異
レジ袋をエサのクラゲと勘違いして食べてしまったウミガメ、釣り糸などが足に絡んで足を失ってしまった鳥など一度はニュースなどで見たことがあるのではないのでしょうか。
何気に捨てたゴミが生き物たちの命を脅かしていることを知ってほしいと思います。
サンゴ礁が絶滅の危機
海の生態系を支えているサンゴ礁が絶滅の危機に瀕しているということです。地球温暖化に伴う温度上昇などにより世界中でサンゴが死滅しているといわれます。
それによりサンゴ礁で暮らす海の生き物の減少、漁獲量の減少など深刻な問題のひとつとなっています。
SDGs目標14を達成するための取り組み
釣り業界の取り組み
釣り具メーカーや釣具店などのホームページを見ると各社SDGsの取り組みについて掲載されているので一度見てみてはどうでしょうか。
- 募金や収益の一部を保護活動の協力金とし、各地で稚魚の放流を行っています。
- SNSで海辺の環境保全のために清掃活動を行っていることを、一人でも多くの釣り人に知ってもらおうと活動しています。
- 過剰包装をできるだけやめ、植物由来成分の包装をしている。
- 釣り大会などのチャリティイベントを行っている。
上記の取り組みはほんの一部ですが、釣り業界でも社会貢献や環境への取り組みを継続しています。
普段私たちにできること
私たちが普段の生活や釣りで何が出来るのか考えてみました。
- 釣り場でみかけたゴミをできれば自分のものでなくとも持ち帰るようにする。
- 釣り場周辺の環境保全のために各エリアで行われている清掃活動に参加する。
- 釣りの仕掛けなどをそのまま放置しない。
- 必要な分だけ釣ったら、あとはリリースする。
- スーパーやコンビニでもらえるプラスチックのスプーンやフォークを使わずマイ箸を使用するようにする。
- マイボトルを活用する。
- ゴミの分別をし、ペットボトルをちゃんとリサイクルにだす。
- 食品ロスを減らす。
これらのことは普段から実践しているものもあると思いますが、これからも継続していかなければいけません。
美しい海を守りたい
釣りは年齢問わず楽しくできる趣味のため、多くの人が関わることにより環境にも少なからず影響していると思います。
これからも楽しい釣りライフができるように、私たち一人ひとりの意識の持ち方で少しでも海洋環境を守る必要があると思います。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。